乾式ダイヤモンド工法

乾式ダイヤモンド工法とは

免震・耐震・制震技術
重機解体に比べ低振動・低騒音での切断・穿孔が可能として、「ダイヤモンド工法」は土木・建築工事に広く活用されています。しかし、切削時に使用する冷却水による廃水汚泥が周辺環境を汚染するという新たな問題も生まれました。乾式ダイヤモンド工法は、従来のダイヤモンド工法の利点を生かしながら、廃水汚泥を排除した新工法です。環境負荷軽減が必須事項となっている解体・リニューアル工事において、これからの指針となる工法です。

乾式ダイヤモンド工法の特徴

  •  従来のダイヤモンド工法とどこが違うのか?
  •  廃水汚泥を排除したECO工法です。
従来のダイヤモンド工法では切断時に冷却水を使用します。この冷却水が廃水汚泥となって河川や農業用水に流失し、水質汚染の問題が生まれました。乾式ダイヤモンド工法は冷却水を不要にした環境配慮型の工法です。電算室など湿気を極度に嫌う設備の隣接工事にも有効です。
  •  騒音や振動は従来の工法と変わりありませんか?
  •  従来工法と変わりなく低騒音低振動工法です。
従来のマシンを使用しますので、ダイヤモンド工法の利点はそのまま変わりません。重機解体に比べ近隣に配慮した工事が可能です。
  •  従来の工法と比較して作業上のメリットは?
  •  寒冷地作業での廃水凍結による事故を防止できます。
従来のマシンのように作業時に水を使用しないので、寒冷地で作業廃水が凍結し、作業員が足場上で転倒・転落するなどの事故を未然に防止できます。
  •  従来工法との産業廃棄物処理の違いは?
  •  後処理の必要がなく、そのまま産業廃棄物として処理できます。
従来のダイヤモンド工法では、廃水汚泥をバキューム等で回収し、容器に集めて汚泥を回収。さらに、中間処分場での後処理を必要としました。乾式ダイヤモンド工法は切断と同時に粉じんのみをコンパクトに回収できますので、廃棄物の減量に寄与。また、そのまま産業廃棄物として処理できますので、手間もかからずコスト削減に貢献します。

各種工法

乾式ワイヤーソーイング

ワイヤーソーマシンに乾式専用ワイヤーを使用して切断する工法です。ワイヤーカバーを設置することにより、切削粉を同時回収し、粉じんを最小限に抑えて施工できます。給排水設備の設置が困難な構造物撤去工事や建物改修工事等で多くの実績があります。


乾式コアドリリング

コアマシンに乾式専用ビットを取り付け穿孔する工法です。ビット内部にエアーを送りながら冷却し、ビットとマシンの接続部に専用の回収装置を取り付け、集じん機で切削粉を回収します。


乾式ウォールソーイング

ウォールソーマシンに乾式専用ブレードを装着して切断する工法です。切削粉の回収はマシンのカバーに直接集じん機のホースを取り付けて行います。ビルやマンション等の水汚れを避けたい場所に最適です。

乾式フラットソーイング

フラットソーイングマシンに集じん機を付加した工法です。冷却水を使用しないので、給水設備や濁水処理の必要がありません。切削粉は切断と同時に吸引されるので、処理も簡易的に行えます。新設コンクリート目地切りや路面改修工事での切断作業にも使用されています。細かな目地や、搬入に手間のかかる駅のホームなどでの施工では小型タイプの機械も利用されています。